11月に公開される、マット・デイモン主演の映画「ボーン・アルティメイタム」の原作、ロバート・ラドラムの「最後の暗殺者」を読んだ。

殺戮のオデッセイ」(これも上中下の三冊)と続けて読んできたが、本作が一番読みにくく、3冊読むのに3週間位かかってしまった。誰が何を話しているのかよくわからなくて、会話文を追っかけるのがなかなか大変だったり、すぐにストーリーが脇道にそれて肝心のジェイソン・ボーンのいないところで展開されたり(これはこれで、楽しいのだが)、ってあたりがしんどい。

第1作では、記憶がないのに敵に襲われたら自動的に体が反応してしまうほどの、すごい「暗殺者」だったジェイソン・ボーンも、第1作から13年経過している設定の本作では、アクションシーンで息切れする、膝が立てないなど肉体的には結構情けない状態だ。しかし、それでも頑張る主人公がなんだか目が離せない。すぐに話がそれるところも、年寄りのくどくどした話ぶりを思い起こすが、なんとか追っかけていけば別の味がある、そんな変な読書体験だった。

これまでだったら多分こういう本は途中で投げ出していただろう。ジェイソン・ボーン=デビッド・ウェブの魅力(あるいは歳をとってしまったヒーローへの興味か?)でなんとか最後まで読むことが出来た。

映画のDVDは、「ジェイソン・ボーン スペシャルアクションBOX〈3枚組〉」という「ボーン・アイデンティティ」「ボーン・スプレマシー」の2作にボーナスディスクを加えたものを注文中だ。このDVDは新作映画の公開にあわせてリリースされるようだ。映画と原作はかなり違う模様だが、それも含めて楽しみにしている。