老眼palm

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2008年 12月 23日のアーカイブ

西村健「突破」ほか


図書館で見つけて読んでみた。給水塔のような巨漢の私立探偵とその女性助手が繰り広げる、ハチャメチャアクション。というかアクションは後半のクライマックス部分で、前半は三つくらいの話が平行で進んでクライマックスへ持っていくという構造。主人公のキャラクターが非常に好ましく、そんなやつおらんやろ、とは思いつつスイスイ読める。助手の万季も魅力的。時間が前後する前半の進め方に最初戸惑ったのと、大文字と万季の関係が良く把握できなかったのがちょっと不満。それと時々句点(マル)を省略するスタイルは、後半多用が目立って興ざめ。でもおもしろい作者なので、別のも読もうと思う。

後半、大阪の釜ヶ崎のドヤが出てくるが、そういえば最近「だから山谷はやめられねえ」というのも読んだ。上野駅のブックガーデンで、こんな本ばかり(刑務所に入った話とか)平積みにしてあるコーナーがあって手をとったのだ。文章がイマイチこなれてないが、内容は興味深いものだった。資格もなく、経験もなく、飯場で働く末端の未熟練労働者以下だ、と自らを嘆くところがあるが、少なくとも若さがあり、それなりの体力があるのは羨ましい。こちらは長く会社で勤めているが、プロとして十分か?と問われればはなはだ心許ないし、よその会社では通じないだろうなあ、というようなことを読んでて思った。

もう一冊。今野敏「特殊防諜班連続誘拐」。これは「新人類戦線 ”失われた十支族” 禁断の系譜」を改題して再文庫化したもので、自分が今野敏を初めて読んだ奴だ。このシリーズだけ読んでて、しばらくぶりに「ビート」を読んだので、いつの間にかこんなの書くようになってたんだ、という感想を持ったのだった。若いときの作品だけあって、荒削りなところがあるが、こういうのは好きなんで、続けて再文庫化されるのも読むつもりだ。家の本棚を掘れば、何冊か出てくるような気もしないではないが。