サブタイトルに「検事・城戸南」とあって、この表紙デザイン。上野のBOOKGARDENで見かけて、「刑事・鳴沢了シリーズ」に代わる新シリーズ開始かと思ったのだが、実は既にハードカバーで刊行されていたものの文庫化だった。折込のチラシによれば、文庫本書き下ろしの新警察小説シリーズは2009年初春にスタートするらしい。初春って正月ってことかな?その前に12月には書き下ろし長編が出るとか。良く書く人だなあ。

話は事務官の大沢、新人検事の美希との掛け合いをはじめとして、いろんなキャラクタとのやりとりが面白く、これはこれで新シリーズでもいいかな、と思う位だ。きっとまた出てくるだろう。本筋の話は、城戸と久松との関係がうまく掴めなかった。読解力が落ちているので、しばらくしてからもう一度読んでみることにする。

その他、今野敏の「果断」も少し前に読んだ。吉川英治文学賞受賞の「隠蔽捜査」のシリーズ続編。前作はギャグにしか思えなかった主人公の竜崎のキャラクタは、本作ではだいぶまともに感じた。話の中で竜崎が下す決断の内容がごく真っ当なモノに思えたからだと思う。このシリーズはもう一作、どこかの雑誌で短期集中連載していたので、また読むと思う。

フェルマーの最終定理」と「暗号解読(上)(下)」も再読。会社のH氏が、業界のメーリングリストで「フェルマーの最終定理」が話題になっていたと教えてくれたので、読みかえしてみたのだ。「数学的にありえない」で紹介した、クラスの中に同じ誕生日の人がいる確率って話がこっちにも出ていたが、すっかり忘れていた。なんと忘れっぽいことよ。だからこそ、同じ本を何べん読んでも楽しいのである。

気に入った本は何回も読み返すことが多いのだが、読解力不足(一度読んだだけじゃ理解できない)と記憶力不足(一度読んでもすぐ忘れる)によるものなのだろう。