老眼palm

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山田宗樹「黒い春」


黒い胞子が肺で爆発的に増殖し、発症から30分以内に確実に死に至るという黒手病についての話。新型インフルエンザでパンデミックだなんだと騒がしいのもあって、図書館で見つけて読んでみた。

黒手病そのものについては、半ばくらいで正体が解明される。謎解きの部分はそれで一段落で、この後どうするんだろう、と思って読み進めたが、後半のドラマが実に良かった。主人公のうちの一人の奥さんに、感染の疑いがかかり、病と戦っていくのだ。

こういう泣ける話は弱いのだが、最近、仕事が不調で、上司に怒られ、部下を理不尽に責め、暗い顔で仕事に向かう、笑顔のない毎日には、これくらい感情を揺さぶってくれるものでないと効かない。

少し前の刊行なので、厚労省でなくて厚生省だけど、途中、厚生省の無策を責める描写がある。今回の新型インフルエンザの件では、「厚労省(厚労相)は騒ぎすぎ」という批判があり、この是非は良く分からないのだが、お役所は「遅い」とか「何もしない」とかって批判されるのが常だったのに、やっぱ舛添さんは一味違うなあ、とか思うのだった。

タイミングを逸したり、特に感想を書くまでも至らなかったなどでブログの記事にはしてなかったが、他に最近読んだのは、保科昌彦「相続人」、久坂部羊「廃用身」、首藤瓜於「指し手の顔」、森村誠一「名誉の条件」てなあたり。

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