老眼palm

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佐藤多佳子「一瞬の風になれ」他

春野台高校陸上部を舞台に、幼なじみで天才スプリンターの一ノ瀬連と一緒に頑張る主人公、神谷新二を描いた青春小説だ。主人公の一人称の語りでつづられる文章にはリズムがあり、登場人物のキャラクターも魅力的だ。ステレオタイプな描写もあるのかもしれないが、いろいろなエピソードが楽しい。

ヒネクレた年寄りの自分も、青春っていいなあ、と素直に思える熱い作品だ。久々にうるうるしながら、一気に三冊読んだ。

これを読むきっかけは、あるブログの紹介記事だ。その記事では、彼らのその後が少し気になる、という感想があったけど、自分は、一番良いところで終わらせてきちんと完結したな、という印象だった。

青春小説といえば、少し毛色はちがうが、瀬尾まいこ「図書館の神様」も良い。これはだいぶ前に買って、もう2度ほど読んでいるが、感想を書きそびれていた。もともと体育会系の主人公の高校講師が、なぜか文芸部の顧問をさせられる話。顧問をしているうちに、いろんな文学作品に興味を持ったり、自分がおもしろいと思った小説に授業の材料を差し替えたり、という心境の変化の部分がおもしろいと思った。

それにしても、普段この手のは読まないのになぜ上野のTSUTAYAで手に取ったのだろう、と疑問だったが、どうもタイトルに「図書館」が入っていたからという単純な理由のようだ。(図書館モノは少し興味があって、これまでも数冊読んでいる。)沈んでいた気分が少し救われたので、これは買って正解だった。

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