スティーブ・ジョブズがアップルのCEOを辞任した。辞任を伝える手紙が公開された日の夜、その訳について友人とTwitterでやりとりした。

自分がうまく訳せなかったのは、"I believe Apple’s brightest and most innovative days are ahead of it."の下り。朝日の訳の「アップルのさらに輝かしく、革新的な日々はこの先にあると信じている」じゃあ、ちょっとしっくり来ない。つい「アップルの輝かしく革新的な日々は、この先も続くと信じている」って訳しちゃいそうなんだ。でもこれだと微妙に誤訳だしね。そんなツイートをしながら、自分の訳に似たセリフを思い出した。

「私は今日引退いたしますが、我が巨人軍は永久に不滅です」

あの長嶋茂雄の名言だ。

二人のセリフのニュアンスの違い―「この先にもっといいことがある」というのと「このいい状態がずっと続く」ってのだと、後者の方がピンと来る感じがするのはなぜだろう。そういえば「君が代」も、千代に八千代にずっと続けばイイね!って歌なんで、そのDNAなのかな、などと考えちゃったわけだ。

この辺をTwitterでポツリポツリやっても通じなかったみたいなので、ブログの記事を書いてみた。

結局、この部分は「アップルは永久に不滅です」って解釈すればいいのかと思ったら、訳のことはどうでも良くなったのだった。さすが長嶋である。

ちなみに朝日の訳で素晴らしいと思ったのは、「私はアップルで最高の友に出会った(I have made some of the best friends of my life at Apple)」のところ。クリシェ(使い古された言い回し)かもしれないが、「幾人の」とか余計なことを書かないのが、すっきりしてて良いと個人的には思う。

(この記事を書いた後で、毎日の訳を見つけた。上にあげたような問題はなく、普通に良い訳だと思う。)

8/27追記:

せっかくだから、あちこちのサイトを参考にした自分の訳を載せておく。(最初はコメントに入れてあったが、やっぱり本文に載せる。)正確な訳とは言えないが、自分の気分にしっくりする文章を選んだ。

* * *

私はかねてから、自分がアップルのCEOとしての責務や期待に応えられなくなったら、自分から皆さんに知らせると言ってきた。残念ながら、その日が来たようだ。

私はここにアップルのCEOを辞任する。取締役会の了解が得られるなら、今後もアップルの会長、取締役、そして従業員として働きたい。

後継については、アップルの計画通り、ティム・クックをCEOに指名することを強く推薦する。

アップルの将来は輝かしく、そして革新的であると信じる。私は新しい立場で、その未来を見届け、それに貢献したいと思う。

人生の最高の友達をアップルで得た。皆さんと長い間一緒に働くことができたことに感謝したい。